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ごめん、今は離島に行かないで!

人の移動が感染を伝播する:ただの風邪でも、何の症状もなくとも、PCR陰性でも、今は旅行は自粛しよう。もし理由があってどうしても行かねばならないなら人との接触を完全に避けること!

 沖縄県石垣島で2名の感染者が出ました。石垣島には感染症病床が3床しかなく、即、医療崩壊の危機が予想されます。二人は3月中旬に県外の人と接触。後にその県外の人は陽性が判明しました。これで収まればいいですが2名の感染者があれば5倍から10倍の感染者がおられると見たほうがよいでしょう。クラスターを全部つぶせるか、ですよね。玉城知事はただちに救急患者の搬送には地元消防、自衛隊、海上保安庁との緊密な連携を図ると述べたそうですが、容体が急変した時、限られた離島の医療資源では対応に困難をきたすでしょう。自衛隊か海保のヘリなどで沖縄本島に搬送することになるのでしょう。

 武漢から始まったCOVID-19は人の移動と共に中国全土に広まり、飛行機の便や客船の停泊などで世界に広まっていきました。日本にはいわゆる「インバウンド」と共に潜入し、今、帰国者の波で拍車がかかっています。飛行機の速度で感染が広まったと言っていいです。「感染しない」離島の天国を地獄にするのは自分はまだ感染してないと思っている旅行者(やビジネスマン)です。飛行機やフェリーで人が訪れるたびにその中の誰かがウイルスを持ち込みます。観光や仕事をするとどうしても地元の人とふれあいますよね。飲食もあり、三線に泡盛に踊り、そんな場で誰もマスクしませんよね。知らずに感染している人は絶対うつします。

 

 だからハワイでは経済的には最悪の事態になると知りつつ「観光に来ないで下さい」と知事が訴えました。行けば14日間指定ホテルで隔離です。プール・レストラン・ジムなど公共エリアには立ち入り禁止で違反者は最大60万円程度の罰金または1年以内の禁固刑となります。外出禁止で2週間の検疫期間が過ぎなければ観光は無理でしょう。さらに少なくとも今月いっぱい現地住民でさえ最低限必要な外出以外は禁止されています。観光客も例外ではありません。罰則は同じ60万円以下か1年以下の禁固です。事実上4月は観光もビジネスも禁止状態です。

 

 異文化で感染症に対する医療が発達していないような国、または島国にこのようなウイルスが伝播されると一世代、または文化、文明が失われるほどに感染がまん延し、歴史が変わることすらあります。私一人、あなた一人がCOVID-19をたずさえて離島に渡れば一国、一文化が滅ぶほどの疫病をそこにもたらす恐れがあるのです。今、離島に行くこと、あるいは軽々に感染者の少ない地域に旅行すること、物流に携わっているのでもないのに各県を渡り歩くようなことはやめよう!そう訴えたいと思います。

 

写真:沖縄、無人島のビーチ2019年3月撮影 坪田敏郎