今、放送中のNHKスペシャルで北海道大学の西浦博教授(8割おじさんと呼ばれる方)が今は野球で言えば一回の表裏が終わって2回の守備についた段階と言っておられました。さすが緩みの目立つ我々に最も適切な例えで戒めてくださったと思います。これから本格的に「帝国の逆襲」が始まるわけです。コロナウイルスというのは王冠に似た形状から名付けられたといいますから。
SARSやMERSは発生早期に抑え込まれた中、今SARS-2が拡散し、世界を脅かし、また席巻しているというのが現状です。(新型コロナウイルス感染症は病名はCOVID-19ですがウイルス名はSARS-CoV-2ですSARSの2代目のような名前ですね。ただしウィキペディアによれば直接の子孫ではなく姉妹系統と見なされているそうです。)
悪い意味でも世界は一つであるということを忘れないでいたいと思います。どんなに日本が新型コロナの封じ込めに成功しても日本だけでは駄目です。地球の裏側で激震が起これば津波が来るのは時間の問題です。今、最も怖い状況なのはブラジルで今後冬に向かうにつれて最悪の事態がすぐそこに迫っています。にもかかわらず大統領は経済を止めることをためらって無策に陥っているようです。アメリカの攻防も冬に向けてどうなるか、そして日本もこの秋冬をどう過ぎ越せるか全く予断を許さない状況です。
東日本大震災の教訓を忘れてはいけません。体感された地震そのものの被害はたいしたことがなかったためすぐ逃げなかったという人が多かったのではと思います。想定を超えたことが起こると人間は必ず油断し勘違いしてしまいます。想定外を想定する努力と想像力が必要です。あとはサイエンスとリーダーの存在が重要ですよね。
津波が来る前に、見える前に感知して警報をだすセンサーが必要です。(今は津波は海底の水圧で検知していますが、COVID-19の流行を検知するセンサーが必要)もっと重要なのは社会の見えないきしみを感知して自己を犠牲にしても余裕のないところで政策を打ち出していくリーダーの存在です。有事のカリスマ的リーダーは危険と言われますが必要です。これはキャラクターの問題でもあり、努力や才能の問題ではない、歴史が選ぶといえるようなリーダーが必要だと思います。フクシマ50の中の吉田所長のような人材です。あるいは津波の迫る中、高台に逃げて下さいと放送し続け殉職された南三陸町役場の職員(遠藤未希さん)などです。(つづく)