新型コロナウイルス感染症については、初めは相当いい加減な情報が流布されていました。ヒトからヒトには移らないという情報はなぜ流されたのでしょう?最初のウイルスはヒトヒト感染しなかったが変異したため感染するようになったのか?いずれにしてもWHOが持続的なヒトヒト感染の証拠はないなどという、後に訂正された「油断情報」を流していたせいで感染の拡大を止めることが出来なくなったのです。(厚生労働省HP 報道広報 報道発表資料1月20日 中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について(第5報)参照)
その後もWHOをはじめとする「油断情報」は後を絶ちませんでした。若い人には感染しない?あるいは感染しても軽症ですむ。(中国の国内では必死に都市封鎖をしているのに)海外の国は入国制限はしなくて良い。医療の進んだ国では心配しなくていい、等々です。今になって見ればどれだけ間違った情報であったことか。これらの「油断情報」はビジネスや観光、すなわち経済の動きを止めてはいけないという配慮から流されたと思います。いまだにインフルエンザの死者数のほうがはるかに多い、なぜ新型コロナかぜだけ特別扱いするのか?というような単純比較の「油断情報」を流す人達がいます。
インフルエンザも風邪も怖い病気です。鳥インフルエンザの脅威が連日ニュースになった時もありました。今の特措法は新型インフルエンザを想定して作られた法律を流用したものです。ただ、現在流行を繰り返しているインフルエンザや風邪は人類と共存し、毎年流行を繰り返し、いわば人類に飼いならされた感染症です。つまりワクチンや抗インフルエンザ薬、抗生物質などにより抑え込んだりコントロールされたりしているのです。
新型の感染症というものはいわば新種の野獣で、まだどうしたら人間に危害を加えないように出来るかわからないのです。しかも日々増殖して人に危害を与えたり時には(体内から)食い殺したりしています。現在ニューヨーク州でさえ連日五百人を超えるような死者が出ています。アメリカのインフルエンザの死者は今シーズンで一万人超ですが新型コロナ感染症の死者はニューヨーク州ですでに一万人を突破しています。既存のインフルエンザには対処法がありますが新型コロナには感染を断つ封鎖と人を守る人工呼吸器しか現在有効な対処法はありません。アビガンなどの薬の承認とワクチンの開発が待たれている所以です。(野獣と言って悪ければ目に見えない、ミクロのエイリアン(木村太郎氏)と言えます。)
「ギリギリ持ちこたえている」という表現をよく聞きます。これは何を持ちこたえているかというと何日かごとに倍々になるねずみ算式の増え方です。おこずかいをもらう時、今日は1円、明日は2円、次は4円、さらに8円、16円と増やしていくあれです。30日後には2の30乗、つまり10億7374万1824円になります。(これではあのビル・ゲイツさんでもふところが痛い?どこかで止めなければすぐに資産はなくなります。)3日で倍になるなら約90日後にその数字になります。すぐにベッド数も人工呼吸器も足りなくなり、マスクもゴーグルも足りなくなれば病院でも皆感染します。医療崩壊した世界で50憶人が感染して致死率2%と低く見積もっても1億人が死亡します。医療崩壊で致死率10%なら5憶人の死者が出ます。そのあたりで回復した人々が免疫の壁を作って感染が収まるんだそうです。
日本の人口が仮に1憶人とすれば最大6千万人が感染、致死率1%で60万人、0.7%なら約40万人の死亡ですむのかも知れません。(クラスター対策班の西浦博教授が試算した40万人に近い)しかしそれでは医療は崩壊し収拾がつかなくなります。経済もボロボロになり来年オリンピックをやるなんてとても無理です。
私は新型コロナウイルスを体内で増殖するテロリストととらえたいと思います。目に見えない忍者テロリストで、色も匂いもなく、気配を消し、多くは善良な人に潜伏して感染を広げます。「油断情報」で動き回る人を介して広がり、肺などに侵入すると弱者に対して牙をむく殺人テロリストです。内部から喉を掻き切り、肺を刺すことで処刑します。
ソラ豆琴美さん(27歳)というグラビアアイドルの方の証言(4月17日羽鳥モーニングショー)がショッキングでした。『激白「器官むしりたい」アイドル感染 入院後急変』というやつです。若者は軽症だという「油断情報」がいかにミスリーディング、「誤った方向や考えへ導くこと」であったかというのがわかります。(現在YouTubeにアップされています。)インフルエンザの20倍ほどしんどいというのがこれですね。
「朝起きた時、のどに何か詰まっている感覚がして熱を測ったら37.5度でした。すぐに変だなと思って保健所に電話しました。(病院での受診を勧められ)(病院では)プレハブで一時間半待って診察自体は2分もしないくらいで終わった。(この時点でせきや息切れがあったという琴美さん。検査の結果陽性が判明した。)急に味がどんどんわからなくなって鼻のにおいが全くしなくなって、せきが出るようになって。(入院から)二日後に高熱を出して39度まであがりました。呼吸ももうすごい痛くて、気管をもうむしり取りたくなる感覚。(意識がもうろうとなることもあった琴美さん。しかし医師からは驚きの言葉が)先生からは「軽症患者」だということで、こんなに苦しいのに軽症なんだと。もう耐えられないのでアビガンが欲しいと言いました。(入院した時)女性は妊娠してると危ないし、妊娠の可能性を今後持っているならやめた方がいいかもと言われました。自分は軽症だからすぐ治るだろうと思い込んでいたので副作用を抱えてまで飲みたくないと思った。(だけどいま)こんなに苦しいならわらにもすがる思いでこの状況をどうにかしたい、もうこれ以上耐えられないと思って(アビガンをのみました)。私の場合は割とすぐに効果を感じました。飲んで5時間には熱が微熱まで下がって、ゆずのお菓子があるんですけど前日まで何の味もしなかったのが酸っぱいが分かるようになって味覚を少し取り戻していた。」(まだ全ての病院でアビガンが希望すればのめるわけではないようです:坪田)
「油断情報」は現在の事実かも知れません。しかし2~3週間後にはそれが急に誤情報となるというのが新型コロナウイルスの狡猾なワナです。「油断情報」を信じないで「警戒情報」を信じてください。
写真:沖縄、座間味島の断崖と海(2019年3月) ©坪田敏郎