動き始めたフランスの新日常:写真 5月17日ミスターサンデーより

フランスで久しぶりに小学校に戻ってきた子供たちがまず学ぶのは社会的距離をとることだそうです。学校の外で蛍光塗料のマーク上に座る子供たちは隣の子から2メートルほどの距離をとって座っています。この間隔を保って学校に入ると机と机の間も同様の距離がとってあり、最初の授業では物の貸し借りをしないことが徹底されていました。まだ親が心配して20人の学級で4人しか登校していないとのこと。先生は社会的距離をはかる長いものさしを持って授業していました。
なぜここまで徹底するのか?それは一時停止した社会経済を動かさないと死んでしまうからです。回遊魚のマグロと同じ程度に人間社会は回っていないと呼吸困難になり死んでしまいます。回遊しないと生きていけないのです。
子供にとっては成長するにつれて今習う新しい生活様式は「新しい普通」ニューノーマルとして当然のことになっていくでしょう。これは大切なことです。欧米はこうして大きな犠牲を払いながら、それ故に確実に新しい習慣、日常を獲得していくでしょう。日本でも世界でも地域によって程度の差が出るでしょうが感染が拡大した都市部では「新しい日常」が定着していくでしょう。
手洗いや消毒が出来ない地域があります。アマゾンの固有の文化を持つ孤立部族に新型コロナ感染症が出たというニュースがありました。(アマゾン孤立部族に新型コロナの死者、その危険性
病原体にきわめて弱い集団への感染、大量死引き起こす可能性も ナショナルジオグラフィック ニュース 旅&文化 2020.04.15)水道はないと思いますが川や湿地帯の水場で手を洗うのでしょうか。界面活性剤の効果のある木の実があるでしょうか?石鹸は流通するようになるでしょうか?部族として淘汰されてしまわないように祈ります。さて、ニューノーマル、新日常ですが時がたつにつれて定着していかねばならないのと同時に旧日常もある程度戻って来るのではと最近思っています。知らない人とくっついてはいけないよ、社会的距離をとりましょうと教えると同時に、知っている仲間どうし、家族や友達とは親しく交わることが大切です。親しい人と話す、遊ぶ、という日常は戻さなくてはならないと思います。消毒はした上で楽しく会食、歓談することは人間の心の健康に必要だと思います。検査と診断、ほんの一か月程度の隔離、有効な治療と予防があればかなり自由な世界を取り戻すことが可能で、経済も十分回していけると思うのです。
検査体制はある種のインフラなんですよね。鉄道とか道路とか橋のようなもので一般の人が保険で日常的に利用できるようになれば経済活動も勉学もある程度自由に出来るようになります。そのための投資は世界中で行われるし、早晩日本でも整える必要があります。経済の回復とオリンピックの開催のためには早ければ早いほど良いと思います。ウイルス防御の医療用N95マスクと同じくらいあたりまえに普及させねばならないということです。
ニューノーマルと「キュー」ノーマル、新日常と旧日常はTPO、時と場合によって使い分けることになると思います。この二刀流が上手に出来る国、有効に機能する社会がコロナ後の世界をリードしていくことになるでしょう。