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ステイホームウィーク(GW)は人の集まる場所にいかない件

責任を持って「てんでんこ」に行動しよう

登山家の野口健氏がツイッターで山に登らないで、と発信されました。

野口健

@kennoguchi0821

「確かにこんな時こそ山で癒されたくなる。しかし、山に登るためには移動をしなければならない。山が混み合えば他の登山者に感染させるかもしれない。仮に遭難者が感染していたらレスキュー隊に移してしまうかもしれない。自然を相手にしている山屋には「待つ力」があるはず!」

 野口氏は著名なアルピニストであると同時に山を足場に様々な公的活動をする国際的言論人でもあります。ボストン生まれでお父上が元外交官で大学教授ですので日本山岳界のオピニオンリーダーとして新型コロナウイルス禍についても危機感を持った発信をされています。特にアフリカのことについては高校1年生の時外交官のお父上に連れられて内紛地域の野戦病院を見せられるなど悲惨な社会の裏面を体験して強い印象を受けておられます。いわば肌身に感じてアフリカを知っているのです。

 

 「中国から始まった新型コロナウイルス。心配なのは医療体制が脆弱(ぜいじゃく)なアフリカだ。水そのものの確保が困難な地域も山ほどある。手が洗えないのだ。アフリカでの感染実態はまだ把握されていない。報道での感染者数は少ないが、実態にそぐわないだろう。

 ケニアでは外国人観光客の大半が中国人。ヌーの大移動よりも彼らの方が目立つ。また道路や鉄道建設など大量の中国人労働者がアフリカに滞在している。イタリアの悲劇は、中国依存に舵(かじ)を切り「一帯一路」に踏み込んだ代償だとすれば、アフリカの現状も同じだ。感染拡大すれば被害が最も深刻な地域になるだろう。アフリカが危ない。

 

 幸いなことに日本では死者数の抑え込みに現段階では成功している。しかし、油断は禁物だ。戦後、日本は一度も戦争や内乱を経験していない。平和な時代が続き、いつしか平和が当たり前のものとなった。政府もそう、国民もそう。世界と比較すれば、はるかにハードルの低い強制力をごく一分野にしか有しない要請ベースの「緊急事態宣言」の発令ですら躊躇(ちゅうちょ)し、タイミングが遅れた。 米ニューヨーク州はカリフォルニア州より4日間ほど外出制限命令を出すのが遅れた。その4日間の差で両者の感染者数に大きな違いが生まれている。1日の判断の遅れで多くの人が死ぬのだ。」 【直球&曲球】野口健 国難を乗り切れば強くなれる

コラムその他

 

 さて、上記のツイッターに対してホリエモンこと堀江貴文氏が反論して話題になりました。おかげで私もこのブログを書いているのですが、「野口さんが21日に緊急事態宣言の中、山岳関係団体が登山自粛を呼びかけ、登山する危険性を訴えたことを報じるネット記事を貼り付けた投稿に、堀江氏が引用リツイートし「頭悪すぎて笑う」とつづった。このツイートにフォロワーから「海や川を禁じられた頭悪い人たちが今度は山に殺到するからですよ」と書き込まれたが堀江氏は「家で家族から感染するよりよっぽど確率低いと思うけどな」とツイートしていた。 堀江貴文氏の「頭悪すぎて笑う」投稿 野口健氏は大人の対応 ライブドアニュース2020年4月23日 20時5分
 
 堀江氏の視点は「人の自由を制限するな。経済を止めて回さないほうがよっぽど被害が大きいぞ。」というようなものでしょう。熱中して好きなことをやれ、というご自身の信条に反することに対して露骨に反発して話題を取る天才かも知れません。野口氏も登山や冒険にとことん情熱を注ぎ命をかけて生きてきた人です。3月にはコロナ騒動の中で閉塞感を覚え、人のいない八ヶ岳に逃げて息をつき、こんな意見を出しています。
 「不要不急の外出は控えて」も理解できる。しかし、団体でなく、家族単位で、こういう時にこそ、人混みを離れた自然の中で、ゆっくりと過ごす時間もまた、大切ではないだろうかと。」
2020年3月12日 産経新聞掲載 直球&曲球 「閉塞感」に飲み込まれるな
 
 堀江氏は反対意見に対して「人気の山に行かなきゃいいだけの話だろボケ」と返したそうです。「家で家族から感染するよりよっぽど確率低いけどな」と。これは正しいのですが小池知事や野口氏のような公的リーダーがGWは山に行ってよいと言うと、そのメッセージは全ての人に伝わって東京一千万人を、日本の一億人を動かしてしまうのです。それだけの人が動けばどこかで渋滞が起こり、どこかで人混みが生まれ、感染者がウイルスを広げます。クラスターが生まれ、飛び散って確実に医療を崩壊させます。GWは伊達にゴールデンウィークと呼ばれるわけではありません。一億人が遊び、帰省し、移動するわけですから人気のない山が穴場になればすぐそこが人気の山に変わりトレンドとなってヒットしてしまいます。今、情報だけは止まることなくみんなが検索しみんなが同じような情報を得て行動します。全ての人を自然の中に均等に分散させるようなコロナ対策アプリはまだ開発されていないのです。(人をAIを駆使して出会わないように分散させるポケモンGOのようなアプリです。)しかも全ての人が自然の中で用を足せるのか?弁当持参で無言になり寡黙にテーブルを消毒し、食事できるか?現状では無理です。
 
 今の世界の惨状は中国政府が春節にステイホームを徹底させず、武漢だけを封鎖して世界にウイルスをばら撒いたからです。今年、中国の春節ウィークは1月24日から30日まででした。1月23日午前2時に武漢市のロックダウンが発表され、市から抜け出そうとした多くの市民は交通手段を閉ざされました。しかし春節前に漏れ出ていた感染者が中国全土に広まり春節の海外旅行で世界に散らばったのです。(ロイター ワールド 2020年4月10日 / 10:20 / 16日前 焦点:武漢「封鎖」の内幕、中国はなぜ初動が遅れたのか)
 
 ですから4月25日~5月6日、日本の春節であるGWは日本のコロナ戦争における関ケ原、天下分け目の戦いなのです。のんきに遊び歩いている場合ではありません。映画ではありませんがレインボーブリッジを封鎖せよ‼ステイホーム、人の来ない近くの裏山で遊ぶならよし、人混みをつくるなかれ。観光地では食堂に入るな、トイレを共有するな、県外に出るな、弁当を持参せよ。すぐ家に帰れ。家で感染対策を練れ。3日に一回、少しずつ備蓄せよ。家族にうつさない、うつされないためにどうするか。友人や同僚にうつさない、うつされないためにどうするか考え、行動し、訓練せよ、と思うのです。
 
写真:沖縄、座間味島の無人島:無人島でも人が渡れば必ず集団を作る
 

 

 野口氏は著名なアルピニストであると同時に山を足場に様々な公的活動をする国際的言論人でもあります。ボストン生まれでお父上が元外交官で大学教授ですので日本山岳界のオピニオンリーダーとして新型コロナウイルス禍についても危機感を持った発信をされています。特にアフリカのことについては高校1年生の時外交官のお父上に連れられて内紛地域の野戦病院を見せられるなど悲惨な社会の裏面を体験して強い印象を受けておられます。いわば肌身に感じてアフリカを知っているのです。

 「中国から始まった新型コロナウイルス。心配なのは医療体制が脆弱(ぜいじゃく)なアフリカだ。水そのものの確保が困難な地域も山ほどある。手が洗えないのだ。アフリカでの感染実態はまだ把握されていない。報道での感染者数は少ないが、実態にそぐわないだろう。

 ケニアでは外国人観光客の大半が中国人。ヌーの大移動よりも彼らの方が目立つ。また道路や鉄道建設など大量の中国人労働者がアフリカに滞在している。イタリアの悲劇は、中国依存に舵(かじ)を切り「一帯一路」に踏み込んだ代償だとすれば、アフリカの現状も同じだ。感染拡大すれば被害が最も深刻な地域になるだろう。アフリカが危ない。

 幸いなことに日本では死者数の抑え込みに現段階では成功している。しかし、油断は禁物だ。戦後、日本は一度も戦争や内乱を経験していない。平和な時代が続き、いつしか平和が当たり前のものとなった。政府もそう、国民もそう。世界と比較すれば、はるかにハードルの低い強制力をごく一分野にしか有しない要請ベースの「緊急事態宣言」の発令ですら躊躇(ちゅうちょ)し、タイミングが遅れた。 米ニューヨーク州はカリフォルニア州より4日間ほど外出制限命令を出すのが遅れた。その4日間の差で両者の感染者数に大きな違いが生まれている。1日の判断の遅れで多くの人が死ぬのだ。」 【直球&曲球】野口健 国難を乗り切れば強くなれる

コラムその他

さて、上記のツイッターに対してホリエモンこと堀江貴文氏が反論して話題になりました。おかげで私もこのブログを書いているのですが、「野口さんが21日に緊急事態宣言の中、山岳関係団体が登山自粛を呼びかけ、登山する危険性を訴えたことを報じるネット記事を貼り付けた投稿に、堀江氏が引用リツイートし「頭悪すぎて笑う」とつづった。このツイートにフォロワーから「海や川を禁じられた頭悪い人たちが今度は山に殺到するからですよ」と書き込まれたが堀江氏は「家で家族から感染するよりよっぽど確率低いと思うけどな」とツイートしていた。 堀江貴文氏の「頭悪すぎて笑う」投稿 野口健氏は大人の対応 ライブドアニュース2020年4月23日 20時5分
 
 堀江氏の視点は「人の自由を制限するな。経済を止めて回さないほうがよっぽど被害が大きいぞ。」というようなものでしょう。熱中して好きなことをやれ、というご自身の信条に反することに対して露骨に反発して話題を取る天才かも知れません。野口氏も登山や冒険にとことん情熱を注ぎ命をかけて生きてきた人です。3月にはコロナ騒動の中で閉塞感を覚え、人のいない八ヶ岳に逃げて息をつき、こんな意見を出しています。
 「不要不急の外出は控えて」も理解できる。しかし、団体でなく、家族単位で、こういう時にこそ、人混みを離れた自然の中で、ゆっくりと過ごす時間もまた、大切ではないだろうかと。」
2020年3月12日 産経新聞掲載 直球&曲球 「閉塞感」に飲み込まれるな
 堀江氏は反対意見に対して「人気の山に行かなきゃいいだけの話だろボケ」と返したそうです。「家で家族から感染するよりよっぽど確率低いけどな」と。これは正しいのですが小池知事や野口氏のような公的リーダーがGWは山に行ってよいと言うと、そのメッセージは全ての人に伝わって東京一千万人を、日本の一億人を動かしてしまうのです。それだけの人が動けばどこかで渋滞が起こり、どこかで人混みが生まれ、感染者がウイルスを広げます。クラスターが生まれ、飛び散って確実に医療を崩壊させます。GWは伊達にゴールデンウィークと呼ばれるわけではありません。一億人が遊び、帰省し、移動するわけですから人気のない山が穴場になればすぐそこが人気の山に変わりトレンドとなってヒットしてしまいます。今、情報だけは止まることなくみんなが検索しみんなが同じような情報を得て行動します。全ての人を自然の中に均等に分散させるようなコロナ対策アプリはまだ開発されていないのです。(人をAIを駆使して出会わないように分散させるポケモンGOのようなアプリです。)しかも全ての人が自然の中で用を足せるのか?弁当持参で無言になり寡黙にテーブルを消毒し、食事できるか?現状では無理です。
 今の世界の惨状は中国政府が春節にステイホームを徹底させず、武漢だけを封鎖して世界にウイルスをばら撒いたからです。今年、中国の春節ウィークは1月24日から30日まででした。1月23日午前2時に武漢市のロックダウンが発表され、市から抜け出そうとした多くの市民は交通手段を閉ざされました。しかし春節前に漏れ出ていた感染者が中国全土に広まり春節の海外旅行で世界に散らばったのです。(ロイター ワールド 2020年4月10日 / 10:20 / 16日前 焦点:武漢「封鎖」の内幕、中国はなぜ初動が遅れたのか)